FIRE後の税金を学ぶシリーズ、今回は「住民税編」です。
所得税と同じように、まずは自分に適用できる控除を整理しながら、来年の負担がどのくらいになるのか確認していきます。
仕組みが少し複雑な部分もありますが、自分の状況に当てはめて見ていこうと思います。
所得税編はこちら:
今回も、私のケースに当てはめて進めていきます。
- 独身・子供なし
- 給与収入なし
- 住宅ローンなし
- 収入は「配当所得」と「株式の譲渡益」
住民税とは
住民税は、前年の所得に対して翌年に課税される税金です。そのため、退職した翌年に負担が大きくなるのが特徴です。
FIRE2年目となる今年は収入が大きく減るため、来年の住民税をどこまで抑えられるのか整理してみました。
住民税は次の2つで構成されています。
- 均等割:所得に関係なく一律。控除の影響を受けないが、条件によっては非課税にできる。
- 所得割:前年の所得に応じて決まる。控除が適用される。
住民税の計算式は次の通りです。
(前年の所得 - 所得控除) × 10% -税額控除 + 均等割
所得税と似ていますが、均等割がある点が異なります。
まずは、所得税と同じ仕組みで分かりやすい、「所得割」の部分から見ていきます。
住民税で使える控除の種類と対象
基本的には所得税と同じですが、一部控除額が異なります。
対象となる控除
基礎控除
- 合計所得金額が2,500万円以下のすべての人が対象
- 控除額:最大43万円(所得税より少ない)
- 所得が2,400万円を超えると段階的に減少
社会保険料控除(国民年金・健康保険料)
- 支払った全額が控除
- 2026年は健康保険料が高額になる見込みのため、控除額が大きくなる
小規模企業共済等掛金(iDeCo)
- 掛金全額が控除
- 現状の積立ペースだと年額6万円
生命保険料控除(生命保険・介護保険料)
- 上限あり、金額によって計算式が異なる
- 所得税より控除額が少ない
- 2025年度分から払込金額に変更なし
地震保険料控除(地震保険)
- 上限あり、金額によって計算式が異なる
- 所得税より控除額が少ない
- 2025年度分から払込金額に変更なし
条件次第で対象になる控除
給与所得控除
- 給与収入ある場合のみ
- 最低65万円〜最大195万円(所得に応じて増加)
- 給与収入の予定がないため対象外
配当控除(国内株・投信の配当)
- 総合課税で申告した場合に適用
- 課税総所得1,000万円以下なら所得税率2.8%分が控除
- 日本の国債・社債の利子は対象外
- 現状、日本株の保有が少ないため効果は限定的
外国税額控除(ETF・外国株)
- 海外で源泉徴収された所得税が二重に課税されないよう調整する制度
- まず所得税及び復興特別所得税から控除し、控除しきれない場合は住民税から控除される
- ETFの配当金が対象
- 配当金が控除で相殺され、日本で課税される部分がなくなると、外国税額控除を使う必要がなくなる
寄付金控除(ふるさと納税)
- (ふるさと納税の寄附金額 - 2,000円)× 10%が住民税から控除
- 支払う税金の一部を寄付に振り替える仕組みのため、手元から出ていく金額は基本的に変わらない(返礼品はもらえる)
- 所得の見込みが立ったら検討
医療費控除
- 医療費が10万円超の場合に対象(所得200万円未満なら所得の5%)
- 2025年は対象外
- 健康でいられることのほうが大事なので、このまま対象外でいたいところ
雑損控除
- 災害・盗難などで生活資産に損害を受けた場合
- 対象となるような事態は避けたい
対象外となる控除
- 配偶者控除・配偶者特別控除
- 扶養控除
- 障害者控除
- ひとり親控除・寡婦控除
- 勤労学生控除
- 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)
- 政党等寄附金特別控除
2026年住民税の控除見込み額
必ず対象となる控除を合計すると、次のようになりました。
| 控除項目 | 金額 |
|---|---|
| 基礎控除 | ¥430,000 |
| 社会保険料控除(年金) | ¥408,150 |
| 社会保険料控除(健康保険) | ¥979,800 |
| 小規模企業共済等掛金 | ¥60,000 |
| 生命保険料控除(生命) | ¥28,797 |
| 生命保険料控除(介護) | ¥22,928 |
| 地震保険料控除 | ¥4,029 |
| 控除合計 | ¥1,933,704 |
※年金は2年分前納のため、半額だけ申告することも可能
控除が適用になるのは「所得割」のみ
控除額は大きくなりましたが、適用されるのは所得割部分のみです。
今年の配当収入は控除の範囲内に収まりそうなので、所得割は非課税にできそうです。
では、均等割も非課税になるか見ていきます。
「住民税非課税世帯」になるには?
均等割は、所得に関わらず一律でその地域に住む人が負担する税金です。
道府県民税(1,000円)と市町村民税(3,000円)に加え、森林環境税1,000円が上乗せされ、合計5,000円が一般的です。
(自治体によって超過課税があり、5,000円より高い地域もあります。)
均等割が非課税になると「住民税非課税世帯」となり、給付金などの対象になる場合があります。
主な非課税条件は次の通りです。
- 生活保護を受けている
- 未成年者・障がい者・寡婦・ひとり親のいずれかに該当し、合計所得が135万円以下
- 各地方自治体の定める所得基準以下
私の場合は、1・2には該当しないため、3の基準を確認します。
一般的な基準は次の通りでした。
- 同一生計配偶者・扶養親族がいない場合:45万円以下
- 同一生計配偶者または扶養親族がいる場合:35万円×人数+31万円以下
夫婦2人世帯なら101万円まで非課税なのに、単身だと45万円になるのは少し違和感があります。実際には家賃や家財道具、光熱費の基本料金など、人数で割れない支出も多く、むしろ単身のほうが負担が大きくなる場面もあるように思いました。
少し調べてみたところ、住民税の非課税基準は生活保護の最低生活費をもとに作られており、「世帯人数が増えるほど生活費を効率化できる」という前提がそのまま反映されているようです。
効率化できているほうが最低生活費が高くなる、という仕組みはどこか腑に落ちず、すっきりしない気持ちが残りました。
まとめ
所得税と住民税のそれぞれ控除見込み額をまとめると以下のようになりました。
| 総所得 | 所得税 | 住民税 |
|---|---|---|
| 45万円以下 | 非課税 | 非課税 |
| 45万円超〜193万円以下* | 非課税 | 均等割のみ |
| 193万円超〜246万円以下** | 非課税 | 均等割+所得割 |
*193万円:住民税控除見込み額
**246万円:所得税控除見込み額
所得が193万円を超えることはなさそうなので、次のどちらが良いか、今後さらに検討していこうと思います。
- 45万円分だけを確定申告して住民税非課税世帯とする
- 配当全額を確定申告して所得税を取り戻し、均等割のみ納付する
住民税は、仕組みが複雑で理解するのが難しい部分も多かったです。「〇〇割」という言葉から、割引のようなイメージを持ってしまい、最初は少し混乱しましたが、整理してみると全体の流れが見えてきました。
自分の状況に当てはめて考えてみることで、ようやく仕組みがつかめてきたように思います。
引き続き、社会保険料や申告する範囲についても考えて行きたいと思います。
応援よろしくお願いします。
最後までお読みいただきありがとうございます。